4.3. 要件②:eポートフォリオの本質について理解する

 eポートフォリオの本質を理解することは,eポートフォリオの効果的な活用と普及のためには必要不可欠である.eポートフォリオには,二つの役割が存在する.

 前者は,学習プロセスを通して学習・評価の促進や自己成長・専門性育成のために活用し,後者は,学習成果を公開するためのショーケース・ポートフォリオを教育の質保証のためのアカウンタビリティに活用する場面が想定される(下図).しかしこれらは,いずれか一方のみではなく両方の役割を同時に併せ持つことが特徴であろう.

 eポートフォリオ活用には,第1章で述べたように,新しい教育観である社会構成主義がベースとなっている.つまり,学習者は主体的に学習・評価に取り組み,社会的な営みを通して自ら知識を構成しながら自律的に課題を解決していき,教員はそれを最善のファシリテーターとしてサポートするという教育像が前提としてある.

 その際に,学習者はネットワークを介することにより,収集したエビデンスに容易にアクセスする事ができるため,各評価活動に回数が飛躍的に増すことで密な相互作用が期待できる.

 ある区切りにおいて,学習者は多くの自身のeポートフォリオの中からベストワークをセレクションし,それらをショーケース・ポートフォリオとして公開する.これら一連の活動は「eポートフォリオ活動」と呼ばれ,学習・評価プロセス全体を通して生成された成果物や評価の記録のすべてがeポートフォリオになる.

 eポートフォリオ活動が継続的に活発に繰り返されることで,社会的な営みを通して自らの学習を振り返る機会が増大し,より多くのリフレクションが誘発される.その結果,学習が生起され,学習者の成長が促進される.これが,eポートフォリオを活用した学習・評価の本質的な効果である.

要件③:利用者に対して継続的な支援を行うに進む