4.2. 要件①:eポートフォリオ活用の目的を明確にする

 eポートフォリオ活用の目的は大きく以下の3点に分類できる.

 eポートフォリオ活用を効果的に行うためには,この目的にいずれかを意識して取り組まなくてはならない.

 これら3つは,新しい高等教育が目指すべき代表的なキーワードでもあるので,多くの大学はこれら3つを達成するため,eポートフォリオをなんとなく導入しようとしている実情が伺える.しかし,これら3つを同時に達成することは,とても困難な取り組みであり,極めて高度な運用のためのマネジメントが必要となってくるからである.

 下図は,3つの目的の関係を2軸を用いて可視化したものである. 1つ目の軸は,eポートフォリオを活用した活動のプロセスを重視するか,総括的な成果(アウトカム)を重視するかの軸であり,もうひとつは,対象とする活動の期間の軸である.

 (A)は,学生の学習を生起させ,評価を促進させるためのeポートフォリオ活用であるため,学習中心の学習プロセスを重視した取り組みが必要となる.一方,(C)は,総括的な学習成果であるラーニングアウトカムを評価するためのエビデンスとしてのeポートフォリオ利用が求められるため,機関中心の結果を重視した取り組みが必要になる.また,(B)は,キャリア教育の支援につながる長期に渡る継続的な取り組みが必要になる.自ずと科目やプログラム横断的な正課・正課外を共に含んだ全学的な取り組みが必要である.

 以上のように,上記二軸のバランスを取りながら全てを上手くマネジメントすることは至難の業といえよう.ひとまず,各大学が照準を絞り目的を明確にし,優先順位をつけながら取り組みの幅を広げていくことが重要である.

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